安倍首相が国際情勢に対応するためであれば憲法の従来の解釈を変えても良いという、まさに立憲主義を否定する発言を国会で行いました。
安倍首相は本日の国会で自民党の小野寺元防衛相の質問に答える形で「従来の(憲法)解釈に固執するのは政治家としての責任の放棄」という、決定的に憲法を蔑ろにする発言を行いました。
首相 “従来解釈への固執は責任放棄” NHKニュース
憲法「解釈固執は責任放棄」 首相、安保法案巡り :日本経済新聞
安保法案:安倍首相、憲法解釈変更の正当性強調 - 毎日新聞
自民党の小野寺元防衛相は衆議院予算委員会で「自分たちを守ろうと思ってやることが国際法上、集団的自衛権に解釈されてしまう。歴代の防衛大臣はいつもこの課題に直面したと思うが、国会で正面から議論すると必ず『戦争に巻き込まれる』といったレッテル貼りが行われる」と発言。
そして安倍首相に対し「国民の命を守るため、限定的な集団的自衛権を行使することにした総理のお考えを伺いたい」と質問を行いました。
安倍首相はこれに対し「その時々の内閣が必要な自衛の措置とは何かをとことん考えるのは当然だ」などとし、「国際情勢にも目をつぶって、(国民を守る)責任を放棄して従来の(憲法)解釈に固執をするのは、まさに政治家としての責任の放棄だ」と発言。
立憲主義は、憲法が法律よりも上に位置する最高法規であり、いかなる政治権力もこれを超えないとする近代国家の基本中の基本。それをたかだか行政府の長たる内閣の判断で、国際情勢をダシに解釈をどこまでも勝手に変えようとするのは確実にこの立憲主義の否定と言わざるを得ません。
憲法99条が国会議員、国務大臣らに求める憲法尊重擁護義務を守れないのであれば即刻辞任すべきではないでしょうか。
また、小野寺元防衛相が「自衛が国際法上、集団的自衛権に解釈されてしまう」と述べていますが、他国からの防衛という国際関係の中で起こる問題である以上、国際法の解釈に従うのは当然。「戦争法案」で兵站を日本国内でしか通用しない「後方支援」などと言い換えるような独自解釈がまかり通ると考えているのであれば、認識不足が厳しく批判されるべきでしょう。
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