日本の少子化にはまったく歯止めが掛かっていません。統計開始以来最低で大台を割り込みました。詳細は以下から。
人類史上経験がないと言われる日本の急速な超少子高齢化。ついに出生数が100万人の大台を割り込むことが確実となりました。
厚生労働省が近く公表する2016年の人口動態統計年間推計で、同年の出生数が98万1000人と100万人を割り込むことが明らかになりました。出生数が100万人を割るのは統計を取り始めた1899年以降初めてのことです。
また、この数は前年の100万5677人から2万4千人余りと2%以上も減少しており、一昨年より4000人程度増えた2015年の出生数からいったんは落ち着いたかと思われた少子化のスピードが落ちていないことが分かります。
◆少子化の止まらない原因は?
原因としては少子高齢化の進展で20~30代の女性の人口が減少していることが第一に挙げられます。現在この年代の女性は1366万人と10年前より2割減少しています。
また、学資ローンの返済問題やブラック労働の蔓延などで若者の貧困化と疲弊が進み、結婚と育児に必要な費用を捻出することが困難なケースが増えている上、こちらも常態化した非正規雇用によって将来への不安が結婚や出産への大きなハードルとなる場合が少なくありません。
育児に関しても待機児童問題はいまだに女性が出産を躊躇う大きな障壁となっていますし、大学の学費の高騰は教育費の重い負担として出産を躊躇させる要因となっています。
さらに社会的には「マタニティーマークを付けていると突き飛ばすなどの攻撃を加えられる」「ベビーカーを使用していると迷惑だと怒鳴られる」などといった醜悪かつ愚劣極まりない風潮が日本社会に蔓延していることも大きな原因のひとつ。
こうした社会で、辛く嫌な思いをしながら子どもを産み育てようという女性が減少することは、ある意味極めて正常なリアクションと言えるでしょう。もし日本人女性に子どもを産んで欲しいのであれば、フランスのように手厚く子育てを支援し、若者が結婚できるような制度を充実させ、妊婦や子連れのお母さんへの攻撃を厳しく断罪する必要があるでしょう。
女性が輝く社会を目指すとしながらも、残念ながらいずれも達成できておらず、その結果としての現状であると言わざるを得ません。
出生数、初の100万人割れへ 少子化止まらず:日本経済新聞
今年の出生数、初の100万人割れ…厚労省推計 _ 社会 _ 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
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