「将来的な無料開放」が原則ながら、一度も無料化のめどすら立ったことのない高速道路の料金。
これを違憲として無料化を求める裁判が始まっています。詳細は以下から。
◆高速料金無料化求め裁判
茨城新聞社が県内の運送業者37社でつくる「高速道路無料化推進協議会」会員の3社が高速道路の無料化を求めて東京地裁に提訴したことを報じています。
運送業者側は2021年8月に、高速料金を徴収する現行制度が憲法の保障する「居住、移転、職業選択の自由」に反して違憲だと主張して提訴。
高速道路を管理する首都、東日本、中日本の各高速道路会社に対して「通行料を徴収してはならない」と請求し、これまでに建設費を完済している路線の無料化を求めています。
運送業者側は「憲法では国民の居住、移住の自由が定められ、通行の自由も保障されている。半永久的有料道路状態は明らかな憲法違反だ」と指摘。
一方で高速道路会社側は違憲性を否定し棄却を求めています。
◆原則「無料開放」の高速道路はなぜずっと有料なのか
現在の高速道路は1回あたり150円の入場料を「ターミナルチャージ」として徴収。加えて原則1km当たり24.6円の「距離制」を採用しています。
高速道路は公共財として今も「無料開放」が原則ですが、無料化の条件を全路線の費用返済に拡大した1972年の「プール制」の採用や、2012年の笹子トンネル事故をきっかけとした老朽化費用確保などにより延長を繰り返しています。
建設費を完済した高速道路だけでも無料化されれば助かる人は多そうですが、恩恵は早期に建設され、利用者数の多い都市部に集中することにもなりそう。
また老朽化による事故も無視できるものでもないため、現実問題としての落としどころはなかなか難しいところ。
茨城新聞は識者提言として「定額制走り放題」という高速道路のサブスク化案を取り上げていますが、こうしたオプションの導入もひとつのアイディアとなりそうです。
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