「新しい歴史教科書をつくる会」の元メンバーらが執筆した歴史と公民の教科書を東京都教育委員会が採択したことが明らかになりました。詳細は以下から。
東京都教育委員会は23日の定例会で、都立中高一貫校10校と都立特別支援学校22校の合わせて32校(NHK報道では35校)で、2016年度から使う中学生の歴史と公民の教科書に「新しい歴史教科書をつくる会」の元メンバーらが執筆したの育鵬社の教科書を採択しました。
「つくる会」系教科書採択 都教委、中高一貫など32校:朝日新聞デジタル
都教委 育鵬社の教科書を採択 - NHK 首都圏 NEWS WEB
育鵬社の教科書といえば今やトンデモなデマとして広く認知されている「江戸しぐさ」を掲載していたことで非常に有名。また、アメリカ合衆国の反進化論団体らが唱えるインテリジェントデザイン説(ID説)の一種として知られる「サムシング・グレート」についてのコラムが掲載されていたことで「トンデモ科学が教科書に載せられている」として批判が巻き起こっていました。
当時の教科書の該当部分はこちらから読むことができます。
なお、文化人類学者の山口智美さんが最新版の育鵬社の教科書を読んだツイートがまとめられていますが、これによると江戸しぐさの記述はなくなっているようですが、サムシング・グレートの記述はそのままで、アパルトヘイト肯定で国際問題にもなった曽野綾子によるコラムも健在とのことです。
曽野綾子さんコラムも搭載実装...山口智美さんが育鵬社の「公民」教科書を読んでみた - NAVER まとめ
こうしたトンデモの掲載以前から育鵬社の教科書に対しては「過去の戦争を肯定している」「男女差別を行っている」などの批判が繰り返されており、今回の採択にあたっても23の団体から採択しないようにとの請願が起こされていました。育鵬社の教科書の問題点のついては自由法曹団が以下のように詳細に追求しています。
弁護士からみた 育鵬社の公民・歴史教科書の問題点
大きな問題を抱えた育鵬社の東京都教育委員会という首都での採択に、今後波紋が大きく広がりそうです。
(Photo by Shihchuan)
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