遅すぎる謝罪ですが、産経新聞は今後このようなデマを報じないことでしか信用は回復できないということを肝に銘じなければなりません。詳細は以下から。
沖縄2紙に対して「米兵の日本人救助を報じない」というデマを元にした誹謗中傷を行い、「報道機関を名乗る資格がない」「日本人として恥だ」と高木桂一那覇支局長が3000文字にわたる記名記事でバッシングしたまとめサイト産経新聞。
海兵隊から「曹長は日本人運転手を救出した後に事故に遭った」という美談デマを否定され、沖縄県警には取材すらしていなかったことを明らかにされながらも「当時のしかるべき取材で得た情報に基づいて書いた」と苦し紛れな弁解を続けていましたが、批判記事から1週間以上経ってようやく「おわびと削除」を掲載しました。
(魚拓1、2)
デマの経緯についてはBUZZAP!でも「米兵の日本人救助を報じない沖縄2紙は報道機関を名乗る資格がない」と断言した産経新聞の報道そのものがデマという悪夢」という記事で厳しく批判しましたが、支局長レベルですら取材もせず無根拠なネットの記述で他者をこき下ろすという意識の低さはまとめサイトのレベルを全く脱していません。
その産経新聞が2月8日付けでようやく「沖縄米兵の救出報道 おわびと削除」とした謝罪記事を掲載、以下のように謝罪と記事の削除を行いました。
記事は取材が不十分であり削除します。記事中、琉球新報、沖縄タイムスの報道姿勢に対する批判に行き過ぎた表現がありました。両社と読者の皆さまにおわびします。
(沖縄米兵の救出報道 おわびと削除 - 産経ニュースより引用)
ですが、問題は「取材が不十分」なことや「琉球新報、沖縄タイムスの報道姿勢に対する批判」に「行き過ぎた表現」があったことだけではなく、一番重大なのは「無根拠なデマに基づいてバッシングをしたこと」なのですが、果たして産経新聞は理解しているのでしょうか?
また、記事の最後に乾正人産経新聞社執行役員東京編集局長のコメントとして
記事中に琉球新報、沖縄タイムスに対する行き過ぎた表現があったにもかかわらず、社内で十分なチェックを受けずに産経ニュースに配信、掲載されました。
こうした事態を真摯(しんし)に受け止め、再発防止のため記者教育をさらに徹底するとともに、出稿体制を見直し、記事の信頼性向上に努めていく所存です。
としていますが、このデマによるバッシング記事を書いたのが高木桂一那覇支局長という支局を統括するべき、極めて高い立場の人物である事はどこにも触れておらず、処遇についてもなんら記述はありません。
もちろんこの謝罪記事は高木桂一那覇支局長のものではなく(少なくとも記名記事ではない)、文中のどの部分にも一言も名前は登場しません。自らの記名記事で批判したのですから、自分の言葉で謝罪と撤回を行うのが報道者の筋というものではないのでしょうか?
沖縄米兵の救出報道 おわびと削除 - 産経ニュース
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