「やりがいPRを」東京五輪のブラックボランティア炎上を受けて有識者会合が見事な追加燃料を投下



やはり日本人はボランティアを奴隷のように酷使してよいただ働きの労働力としか見ていないようです。詳細は以下から。


いよいよ2年後に迫ってきた疑惑まみれの東京オリンピック。そんな東京オリンピックの大会ボランティアに大会組織委員会が求める要件の素案が炎上したのはもう2年前の話で、BUZZAP!でも当時詳細に取り上げました。

それは「コミュニケーション能力がある」「外国語が話せる」「1日8時間、10日間以上できる」「採用面接や3段階の研修を受けられる」「20年4月1日時点で18歳以上」「競技の知識があるか、観戦経験がある」など、極めてハードルの高いもの。

しかも必要とされる語学や競技知識の習得は各自の「努力」に任される他、宿泊費や交通費も全て自己負担というブラックさには「こんなん誰がやんねん」「そこまで求めるなら金払って雇え」などと呆れ返る声が続出しました。

こうした批判などを受けて、ボランティアの在り方などを有識者が検討する初会合が都内で開かれました。あれから2年間何をしていたんだという話ですが、その内容はさらに酷いもの。

会議ではなんと「募集にあたってはボランティアのやりがいをわかりやすくPRしていくことが必要だ」といったブラック企業の権化のような意見が出されたとのこと。

「やりがい搾取」という言葉が一般にも知れ渡り、やりがいを強調する企業はブラックである可能性が高いと言われるまでになった現代日本でこんな時代遅れの意見を開陳する人物が有識者ヅラをして会合に紛れ込んでいる辺り、実に救えない話となっています。

組織委員会は、今後も行われる会議で出された意見を踏まえた上で今年の7月下旬までに具体的な募集要項を決める予定とのことですが、ひとつ間違えれば誰も参加しようという人がいないという惨状にまっしぐらであるという認識はさすがに持っておいた方がよいでしょう。

そもそも学費の高騰に喘ぐ学生や奨学金の返済に追われる20代やブラック労働で疲弊している社会人らがこんな過酷な上に長期休暇と自腹での各種支払いを要求される「ボランティア」に参加すると思っているのであれば完全に「脳内お花畑」と言うしかありません。

開催費用が3兆円規模にまで膨らみ、建設会社やメディアなどが大儲けする事は確定しているのですから、その正当な分け前を縁の下のボランティアにもトリクルダウンさせてもバチは当たらないと思われますが…?

東京五輪・パラのボランティア 「やりがいPRを」組織委 _ NHKニュース

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