消費税率引き上げで低所得層の生活がさらに苦しくなる一方、富裕層の利益は守られるようです。詳細は以下から。
逆進性の高さから貧富の差の拡大が懸念される消費税の増税。軽減税率や商品券など、消費の冷え込みへの対策の迷走も報じられていますが、庶民の懐へのダメージは決して無視できるものではありません。
そんな中、政府与党は株式の配当などの金融所得への課税について、来年度の税制改正での増税を見送る方針を固めました。
現在、所得税はそれぞれの所得に応じて5~45%と7段階の税率が適用される累進課税となっていますが、株式の配当や売却益といった金融所得は別枠とされ、一律20%に抑えられています。
このため、合計所得に占める所得税の負担割合は、所得1億円を境に富裕層ほど軽くなることから「格差の拡大につながる」と指摘されてきました。
政府与党は2017年末にまとめた税制改正で、高所得の会社員らへの所得増税を決めた際に金融所得課税を見直すことを課題とし、与党税制改正大綱にも「税負担の公平性を担保する観点から総合的に検討する」と明記していました。
2019年10月の消費増税と同時に導入する軽減税率の財源に充てるため、財務省は一時、金融所得課税の強化を検討しましたが、株価を重視する首相官邸は当初から強く反対していた上、統一地方選や参院選を控えていることから与党内でも反対論が強まり、今回の見送りとなりました。
低所得者ほど負担が重くなる消費税を増税する一方、富裕層への課税強化を株価維持や選挙対策を理由に見送るという姿勢から見える将来はどのような社会なのか、秋の夜長にじっくり考えてみてもよさそうです。
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