昨年米下院で史上初めて可決された「大麻合法化案」が上院でも可決され、成立する可能性が一気に増大しました。詳細は以下から。
Buzzap!でも以前報じたように、米下院は2020年12月4日、大麻を連邦法で合法化する法案を80年以上の大麻規制の歴史の中で史上初めて可決しました。
この法案「MORE Act」には下院で多数派の民主党議員の大半と、共和党議員の一部が賛成し228対164の賛成多数で可決しています。
「MORE Act」は連邦法で大麻を禁止薬物のリストから除外し、連邦法で大麻関連で逮捕された人々を釈放します。また合法化された大麻に課税することを定めており、その一部はドラッグ戦争で影響を受けた人々や産業の補助に使われるとのこと。
ですが下院での可決時点では、共和党が多数を占め、大麻合法化に強硬に反対するミッチ・マコーネル上院多数党院内総務を擁する上院を通過する見通しはありませんでした。
それが、現地時間1月5日に投開票されたジョージア州上院選の決選投票で民主党のオソフ氏とワーノック氏が当選したことで、この前提が覆りました。
この勝利によって民主党は上院で共和党と同数の50議席を獲得、上院議長を兼務する副大統領が投票権限を持つため実質的に民主党が過半数を握ることになります。
そのカマラ・ハリス副大統領は大麻合法化の推進派であることを明言し、2018年には大麻を禁止する連邦法改正を目指す「Marijuana Justice Act」(大麻公正法)の共同提案者にも加わった人物。
新型コロナへの対応がバイデン政権の最優先事項となるため、実際に大麻合法化がどの程度の速さで進むかは不透明ですが、最大の障壁だった上院での可決がこれまでよりもはるかに容易になったことは間違いありません。
なお大麻に関しては、アメリカ合衆国大統領選挙と同日に行われた住民投票で新たに4州で合法化され、総人口の1/3にまで合法化州が拡大。
加えて12月2日には国連の麻薬委員会(CND)が世界保健機関(WHO)の提案を受けて大麻を「最も危険な薬物」のランクから削除しています。
戦後、日本から一番近い外国だったアメリカ合衆国が大麻合法化国となるのは遠い未来の話ではなさそうです。
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