「福一の原子炉格納容器4京ベクレル」になす術なしの原子力規制委、なぜか一般に意見募集へ


専門家集団がお手上げの4京ベクレルに対してどのような意見を求めているのでしょうか。謎の動きです。詳細は以下から。


原子力規制委員会が1月27日の定例会合で、東京電力福島第1原発事故を分析する検討会がまとめた報告書案を了承しました。この報告書案では2、3号機の「原子炉格納容器」上部の蓋に当たる「シールドプラグ」が極めて高濃度の放射性物質に汚染されていたことが明らかになっています。

2号機の蓋の内側部分のセシウムは約2京~4京ベクレル、3号機では約3京ベクレルという極めて高いもので、放射線量は10Sv/h前後となっており人間が近づけば1時間以内に死亡します。

原子力規制庁の担当者は「大量のセシウムは予想していたが、ここまで集中した汚染は想定していなかった」としており、廃炉作業は極めて困難との認識。東電の担当者も「蓋の部分をどうするかは見通しが立っておらず、今後検討したい」となす術なしの状態です。

報告書では廃炉作業で慎重な対処を求めるとし、なぜかここで報告書をまとめるにあたり、一般からの意見募集を行うことを決めました。

当然ながら原子力規制委員会や原子力規制庁、東京電力といった日本で最も原子力に精通したプロ中のプロになす術がないのであれば、一般人がどんな意見を述べたとしても実現性のない絵空事でしかありません。

こうした事案について意見募集をする意味は特になく、場合によっては何もできないことへの言い訳づくりと言われても致し方ありません。

一方で、漁業を筆頭に周辺住民の生活に大きな影響を与えるおそれのある汚染水の海洋放出にはパブリックコメントでも反対が相次ぎ、今年の世論調査でも55%が反対という結果が出ていますが、政府と東電は海洋放出の方針を変更していません

(Photo by Wikipedia

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