東京五輪開催「安心安全の基準はない」森喜朗会長発言のはらむこの上ない危険



IOCバッハ会長にも負けない強い開催への「執念」を感じさせる発言ですが、さすがにこれは危険です。詳細は以下から。


◆五輪開催のための「安心安全の基準はない」森会長が明言
東京五輪組織委の森喜朗会長が1月28日、五輪開催について日本人に「どうか辛抱してほしいと要求したIOCバッハ会長との電話会談を行いましたが、その後の取材で驚きの発言が飛び出しています。

まずこの電話会談では、両者は新型コロナのパンデミックで開催が極めて困難となっている東京オリンピックを、今夏に間違いなく開催することを改めて確認したとのこと。

その際、大会側は開催について「安心安全」であることを前提としていますが、記者からその「安心安全の基準は」と問われた森会長はそんな(安心、安全の)判断の基準があるかというと、ないですよと明言。

続けて皆さんが新聞を書くのと同じですよ。ここまで書いた方がいいのか、ぼかしたほうがいいのか、色んなやり方がある。これもですね、安全と安心というのは、みんなが願ってやっているわけですから。事故が起こると思って列車に乗っている人はないし、事故があると思って飛行機に乗る人はいないんじゃないですかと述べました。

◆「安心安全の基準」がないことの問題
森会長は列車や飛行機などの交通機関を例に出していますが、当然ながらどんな交通機関であれ安全運行のための厳然たる安全基準は存在しており、それを破ればもちろん罰せられます。

「安心安全」を判断する基準がないということは、安全運行のための法律もルールも存在しない中で交通機関に乗ることになり、それはそのまま「グランドオートセフト」や「マッドマックス」のような世界です。

基準がなければ基準への違反もありません。つまり、バッハ会長や森会長といった大会側が「開催したい」と「願って」決定することを止める客観的な「開催中止のライン」がどこにも存在しないことになります。

これによって発生するより大きな問題は、開催可否の最終決定が、大会を何が何でも開催したい大会側の胸算用で恣意的に行われるということ。このため仮に中止になるとしても決定がギリギリまで引っ張られる可能性が高く、その間に多額の税金と多くのリソースがコロナ禍をよそに開催のためにつぎ込まれることになります。

お分かりでしょうか。私たち日本国民が載せられて「辛抱」を求められている「東京オリンピック開催」という列車は、大会側が運転席に居座るルール無用の暴走列車ということになります。

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