百田尚樹「日本国紀」絶賛、「月刊hanada」愛読、体罰肯定などなど、五輪組織委次期会長に「内定」した川淵三郎氏のツイートをご覧ください



女性蔑視発言で引責辞任となった森会長の後任としては、なかなかにパンチの効いた人選と言わざるを得ません。東京五輪にとどめを刺したいのでしょうか…。詳細は以下から。


東京五輪組織委の森喜朗会長が、自身の女性蔑視発言で引責辞任する意向であることが本日報じられ、その後任としてJリーグ初代チェアマンを務めた川淵三郎氏の名前が挙がり、本人も就任を前向きに考えていることが報じられました。

それに伴って川淵三郎氏の過去のツイートが「発掘」されていますが、東京五輪の開催にとって森会長の発言に勝るとも劣らないほど打撃を与えそうなツイートが散見されています。見ていきましょう。

◆月刊Hanada愛読を公言
2020年5月2日に川淵氏は「僕は月刊Hanadaの愛読者だ」と公言。

魚拓

「月刊Hanada」といえば極右雑誌として広く知られていますが、2019年10月号では小川榮太郎氏の「【伊藤詩織氏を告発する! 】性被害者を侮辱した「伊藤詩織」の正体」という記事が掲載して全面攻撃した極右雑誌。


さらに同紙は2019年11月号では「【告発! 「伊藤詩織」事件の闇】「伊藤詩織」は性被害者なのか」という記事を掲載。


また2020年1月号では「【徹底追及『Blak Box』!巨大ネットワークの正体】「伊藤詩織」に群がる面々」として、今度は伊藤さん周辺の人物をターゲットにしています。

魚拓

お分かりでしょうか。時系列を考えれば、川淵氏はこれらの性被害者の女性を攻撃する記事を読んだ上で「月刊Hanadaの愛読者だ」と胸を張っていることになります。

さらに川淵氏は月刊Hanadaに掲載されている自民党の青山繁晴議員のコラム「澄哲録片々」を3度に渡って賞讃しています。


蛇足になりますが月刊Hanadaは先日8割以上が不正署名だったことが判明し、刑事告発まで取りざたされている大村秀章愛知県知事リコール運動を熱烈応援していることも付け加えておきましょう。


◆百田尚樹「日本国紀」を絶賛
2019年12月5日には百田尚樹の「日本国紀」を読んだことをツイート。「興味深い日本の歴史が平易な文章で書かれていて興味が尽きない」としたうえで「百田さん最高の傑作」と絶賛しています。

魚拓

「日本国紀」といえば「男系」を「父親が天皇」と勘違いしたり、十七条憲法は「民主主義」だと言ってみたり、安倍政権も正式に認めた南京大虐殺を否定するなど、発売と同時に全方位からツッコミの嵐が入ったことを記憶している人も多いはず。

その後も百田本人がWikipediaなどからのコピペを自供し、普段は敵視している朝日新聞社の著作物まで無断転載していたことが発覚。オルトライト(Alt-right)ノベルなどと揶揄されるに至った眉唾トンデモ歴史本の決定版であることはBuzzap!でも繰り返し指摘したとおりです。

◆体罰を肯定
2019年7月4日には産経のコラム「舞の海の相撲俵論」についての感想の中で、ある種の体罰は「人間同士の魂と魂のぶつかり合い」であると肯定しています。

魚拓

条件付きとはいえ、「親が先生」といった立場の人間が子供や生徒に暴力をふるうことがオリンピック精神に合致するのかどうか、こちらも極めて怪しいところ。

◆櫻井よしこを「国士」と賞讃
2020年12月17日には今夜のBSプライムニュース櫻井よしこさんはまさに国士。女性を国士と言ったらまずいのかな?」とツイート。

魚拓

櫻井よしこが日本会議とも極めて近い極右言論人であることは今更説明するまでもありません。

第二次世界大戦終結から70年目の2015年8月6日に広島で日本会議が開催した「反核平和70年の失敗~憲法9条は中国軍拡も北の核兵器も止められなかった!~」と題する講演会で櫻井よしこが講師を務めていたという事実だけを提示するに留めましょう。


なお、こうした人物を国士と呼ぶこと自体の問題に加えて「女性を国士と言ったらまずいのかな?」という疑問もなかなかのもの。デジタル大辞泉で国士を調べると

こく‐し【国士】
1 国家のために身命をなげうって尽くす人物。憂国の士。
2 その国で特にすぐれた人物。


とあり、男性に限るとは一言も掛かれていません。いったいなぜ川淵氏は「女性を国士と言ったらまずいのかな?」とつぶやいたのか、こちらも川淵氏の女性の見方を強く反映しており非常に興味深いところです。

◆韓国への歴史修正主義
韓国に関する発言も非常に危険なもので、歴史修正主義の域にまで入っています。

魚拓

上記ツイートでは「うちの娘と結婚してくれないかと日本人から言われたとの発言は当時の韓国人に対する差別を全面的に否定して余りある」とし、たったひとつの発言を根拠に、大日本帝国支配下での韓国人への差別を全面的に否定してしまっています。

当然ひとりの韓国人への日本人の発言ひとつをもって当時の差別の存在を否定することは到底できません。無理矢理それをやろうとするのであれば歴史修正主義者と言われても致し方のないもの。

ということで、森会長の後任として指名された川淵三郎氏は性犯罪被害者の女性を総攻撃する極右雑誌を愛読し、極右的な価値観や歴史修正主義にも極めて親和的であることが分かります。

当然ながらこうしたツイートをはじめとした川淵氏の人となりは日本国内のみならず海外メディアも即座に知ることになります。

女性蔑視発言によって引責辞任した83歳男性の次が84歳男性であるというだけでも話題になりそうな案件ですが、蓋を開けてみた時にどのような反応を引き起こすのかは非常に興味深いところ。

日本は東京五輪開催の可能性を「外圧」という手段で徹底的に潰したいのだと思われてしまうような気がしてなりません。

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