野党候補と同姓同名、第一声の演説もなし。謎に満ちた候補者が話題になっています。いったい何者なのでしょうか。詳細は以下から。
◆野党候補と同姓同名な謎の立候補者が登場
話題になっているのは島根1区の亀井彰子候補。この島根1区は自民党の細田派の会長である細田博之氏の選挙区であり、対抗馬として立憲民主党の亀井亜紀子氏が出馬しての一騎打ちと思われていました。
そこに突如現れたのが無所属新人の主婦、亀井彰子氏。漢字こそ違っても亀井亜紀子氏と同姓同名となり、投票先が判別できない場合に、得票数で振り分ける「案分票」が発生する可能性も先週時点で指摘されていました。
亀井彰子氏は第一声の演説も行わず、選挙カーなども走らせていないとのこと。ポスターも手書きとみられるものが貼られるなど、どういった経緯で何を訴える候補なのかが極めて見えにくい状況でした。
また立候補には供託金300万円が必要なことから、これだけの大金を使って何も訴えないのは不自然ではないかとの指摘も。
ロシアでは野党の対立候補に同姓同名の候補者を立てるの珍しくない手法で、対立候補に顔まで似せた2人の候補が擁立されたケースは日本でも報じられていました。
こうした事例からネット上では、この亀井彰子氏が立憲民主党の亀井亜紀子氏への票を分散させるために立てられた「刺客」ではないかとの憶測も飛び交いました。
◆亀井彰子氏はどのような人物か
「日本の選挙のロシア化…」という指摘が本当であれば物議となりそうですが、まずは実際に亀井彰子氏の言動を見てみましょう。山陰中央新報は亀井彰子氏のプロフィールを以下のように掲載。
元中学教諭。岡山県井原市出身で、岡山県内で中学教諭、島根県内で中学講師などを務めた。政治とカネの問題などに憤りを感じ、出馬。政党・政治団体には属さず個人で活動する。同志社大文学部卒。松江市東出雲町意宇東。
(亀井 彰子氏(64)(無所属、新) _ 山陰中央新報デジタルより引用)
山陰中央テレビは亀井彰子氏の肉声で「一番は地方の切り捨て、子育て世代が住めるのか、言っていることとやっていることが矛盾」という言葉を紹介。都市と地方の格差是正などを主張していることを報じています。
NHKの候補者アンケートでは、現在の政府のコロナ対策に対しては立憲候補よりも辛い評価を下しています。
また立憲候補と主張の違う部分としては、防衛力の強化に強く反対し、核兵器禁止条約の批准を求め、改憲にも反対するなど、より「左に振れている」とも言える形に。
もちろん野党候補への刺客であるならば、主張が被っていると与党候補の票が減る可能性もあるため、これ自体は不思議ではありません。
だとすればもう少し演説などの選挙運動があってもよさそうですが、選挙公報もポスターと同様に手書きの素朴なものとなっており、野党候補の票を削る意図があるのか微妙なところ。
たまたま同姓同名だった可能性も当然あり、少なくとも現時点で「自民党が野党への嫌がらせで立てた刺客」とするのはさすがに無理そうです。
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