あなたや私が実践しているとっておきの治療法、実は気のせいに過ぎなかったのかも知れません。詳細は以下から。
◆二日酔いに効く治療法、なかった
楽しい酒宴の後にやってくる悪夢の時間、二日酔い。脳味噌と胃袋を取り出して窓から投げ捨てたくなるほどの苦痛の中でのたうちまわり、トイレで吐き続けるあの時間はまさに地獄です。
そんな時に「シジミのみそ汁を飲む」「大量に水を飲んで排尿する」「飲むヨーグルトや牛乳で胃をコーティングする」などのささやかな治療法を編み出して実践している飲んべえは少なくないはずです。
しかし、どうやらその治療法の化学的根拠は極めて薄いという研究結果が出されてしまいました。
ジャーナル「Addiction」に発表された研究ではプラシーボ(偽薬)を用いた21の先行研究の386人の被験者についてメタ分析を行っています。
これらの調査には、二日酔いの治療薬として知られるクローブ(丁字)エキス、高麗紅参、韓国ナシなどが含まれていました。
ですが、これらを筆頭とした治療法はいずれも効果のエビデンスが貧弱で、さらなる厳正な審査を必要とするものばかりで、可能な限り好意的に言っても「疑わしい」レベルでした。
調査方法も厳格なものとは言えず、二日酔い自体もより明確に定義する必要があるとのこと。実験ではいくらか症状の改善が見られたケースもあったものの、効果ありとみなせる段階ではありませんでした。
その中でもクローブエキス、トルフェナム酸、ビタミンB6-ピリチノールはさらなる研究対象とする価値ありとのことですが、効果の証明には至っていません。
研究を主導したキングス・カレッジ・ロンドンの疫学者Emmert Roberts博士は「現時点で二日酔いを防ぐには酒を飲まないか適度に飲むしかない」と、あまりにも身もふたもない結論を出しています。
◆二日酔いの最高の対策は予防
もちろんこれは「二日酔いになった後の治療」の話で、飲む前にウコエキスや肝臓水解物などを飲んだり、適度に食事を取っておくといった予防法は存在しており、いずれも有効です。
二日酔いは基本的に、アルコールが分解される際の毒性物質アセトアルデヒドが体内で暴れ回った結果として起こるもの。
二日酔いの時点で身体はすでにダメージを負った「後の祭り」状態のため、回復には時間とエネルギーが必要です。そのため「二日酔いにならないようにする」ことがベストの対策なのは間違いありません。
また次善の策としては、悪酔いの状態になった時に速やかに胃の中のアルコールを全部吐き出すこと。これも早ければ早いほど効果的で、我慢できないほど悪酔いする前にさっさと吐くことで華麗に復活できるケースもあります。
少しの手間をかけて早い段階で対策することで、二日酔いのリスクは最小化が可能。地獄の翌日を避けるためにも、転ばぬ先の杖をしっかりつくのがよさそうです。
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