ラッダイト運動再び…と思いきや、別の方向に向かっているようです。詳細は以下から。
ジャーナル「Proceedings of the National Academy of Sciences」に発表された研究によると、職場などでオートメーション(機械化)に触れ続けると極右政党支持に陥りがちになるとのことです。
研究では7回にわたるEuropean Social Surveyの調査データを分析。その中には1999年から2015年の13の西欧諸国の投票行動も含まれており、European Labor Force Surveyのどの程度オートメーションに触れていたかのデータも用いられました。
その結果、職場などでオートメーションに触れていた人ほど極右政党や極左政党を支持していました。ですが、その中でも特に極右政党への支持が集まっていたとのこと。
また同時に、そうした人ほど自分の経済状態が悪いく、正規雇用されるのが難しいと感じ、政府や民主主義に満足していませんでした。
ここに至るにはふたつの道筋があり、まず西洋社会での製造業の雇用の減少が部分的にとはいえ極右政党の躍進をもたらしており、選挙戦の状況もこの10年で大きく変化しました。
また、オートメーションによって仕事をロボットに取られた人や、過去の仕事のような職業を見つけられない若い世代が民主主義に幻滅を感じ、社会的な地位への脅威に脅かされ、極右的思考に陥っています。
なぜ機会に仕事を奪われると極右的思考に陥るかについては、研究を主導したルイージ・ボッコーニ商業大学のPiero Stanig准教授は労働組合の衰退が少なからず関係していると推測しています。
現在この仮説に基づいて、西洋の主要経済圏の産業別・地域別の労働組合組織率に関する詳細なデータを収集しており、今後検証するとのこと。
産業革命期のラッダイト運動は後の労働運動の先駆けとよべるものでしたが、現代では極右的思考に陥るのは非常に興味深いところです。
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