あの頃さかんに持てはやされた企業のリストラによる労働分配率の低下、どうやら現在に至るまで響き続けていたようです。詳細は以下から。
企業が利益を人件費に回した割合を示す「労働分配率」が、1990年代以降企業全体で低下していたことをNHKが報じています。
中でも大企業の非製造業は8ポイント余りと大幅に低下。製造業も低下しており、中小企業でも同様の傾向が見られています。
調査ではバブル経済が崩壊した1990年代から直近の2010年代までの「労働分配率」の推移を調べて平均値を比較。
大企業の非製造業では1990年代の56.6%から2010年代は48.4%へ8.2ポイント低下し、大企業の製造業で2.2ポイント低下。また中堅・中小企業の非製造業は1.2ポイント、製造業で0.8ポイントそれぞれ低下していたことが判明しました。
内閣府はこの理由をバブルの崩壊や金融危機を背景に、企業が固定費を削った結果として人件費が抑えられた可能性があると指摘しています。
90年代には流行語にもなった「リストラ」という名の合理化の潮流が現在まで長く尾を引いていることになります。
内閣府は「労働分配率の低下傾向は幅広い業種・規模で生じている。企業が投資や分配に前向きになれる環境の構築が重要だ」としています。
昭和の頃は法人税が今よりもはるかに高く「税金でとられるくらいなら」と賃金や福利厚生に資金を回した話もありましたが、これくらい思い切った方針転換が必要なのかもしれません。
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