アメリカ合衆国がサイバー攻撃を受けた場合でも集団的自衛権を行使する可能性があるとの見解を防衛省が示しました。詳細は以下から。
防衛省が5日に民主党に対する文書で「米国がサイバー攻撃を受けた場合に、日本の存立が脅かされるなど武力行使の新3要件を満たせば集団的自衛権を行使する可能性がある」との見解を示したことを毎日新聞が報じました。
集団的自衛権:サイバー攻撃も対象…防衛省が見解 - 毎日新聞
文書に寄るとサイバー攻撃事態が武力攻撃に当たるかどうかは国際法上の位置付けが確立されていません。
日経新聞の記事によると、防衛省の見解として、自衛権行使を認めるためにはまず人的、物理的被害を分析した上で、攻撃主体が国または国に準ずる組織で、組織的で計画的な行動であると判断されなければならないとしています。
安保法制、サイバー攻撃という隠れた論点 :日本経済新聞
こうした判断を経た上でアメリカ合衆国が武力攻撃の一環としてのサイバー攻撃を受けた場合には日本が集団的自衛権に基づいた武力行使を行えると回答。2014年3月には防衛省内に陸海空3自衛隊で構成する「サイバー防衛隊」が発足していますが、「サイバーだけでなく、通常兵器での反撃も否定しない」と説明しています。
具体的にはアメリカ軍の通信システムやレーダーに同時にサイバー攻撃を仕掛ける事態を想定しているとのこと。日経新聞の記事では2011年12月にイラン軍が米国のステルス偵察機「RQ170」をサイバー攻撃で「撃墜」したとされる事件にも触れられています。
もちろん集団的自衛権の行使容認に関しては先日衆院憲法審査会で参考人の憲法学者全員が「違憲だ」と明言している以上、この防衛省の見解がそのまま通用するものではありません。
集団的自衛権行使を認める「戦争法案」、衆院憲法審査会で参考人の憲法学者全員が「違憲」と明言 | Your News Online
野党内には国際法上の位置付けすらまだ確立されていないサイバー攻撃までもが集団的自衛権の対象となることに対して「対象が際限なく拡大しかねない」との警戒感も出ています。
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