戦後70年目の8月6日を迎える広島で、日本会議が「反核平和70年の失敗~憲法9条は中国軍拡も北の核兵器も止められなかった!~」と題する講演会を実施します。詳細は以下から。
第二次世界大戦が終結してから70年目の8月6日。平和記念式典には過去最多の100ヶ国からの参列者を迎えるなど、日本にとっても広島にとっても大きな節目の日となりました。
原爆投下70年、広島で式典 首相は非核三原則触れず:朝日新聞デジタル
そんな中、今話題となっている日本会議が広島市内のリーガロイヤルホテル広島にて「反核平和70年の失敗~憲法9条は中国軍拡も北の核兵器も止められなかった!~」との演題で櫻井よしこを講師とし、「8.6広島平和ミーティング」なる講演会を実施します。
8.6広島平和ミーティング 反核平和70年の失敗 - 2015 08 06 18 00開始 - ニコニコ生放送
講演会のフライヤーでは「『憲法平和主義』70年の実験は失敗だった!」「憲法が外国まで規制できると誤認した日本の反核平和運動に、戦後70年間に何の紛争防止効果も無かった事実を踏まえ、危機にさらされている日本に、現実的安全保障策を望む」としています。これは広島市長の
辛く悲しい境遇の中で思い悩み、「憎しみ」や「拒絶」を乗り越え、紡ぎ出した悲痛なメッセージです。その心には、人類の未来を見据えた「人類愛」と「寛容」があります。
人間は、国籍や民族、宗教、言語などの違いを乗り越え、同じ地球に暮らし一度きりの人生を懸命に生きるのです。私たちは「共に生きる」ために、「非人道性の極み」、「絶対悪」である核兵器の廃絶を目指さなければなりません。
広島市長の「平和宣言」全文:朝日新聞デジタル
とした反核と平和を希求した平和宣言の真逆を行く主張です。この8.6広島平和ミーティングには2009年の第1回から第4回までと第6回には核武装を説く田母神俊雄元航空幕僚長が講師として招かれ、第5回には先日「あかりちゃん動画」で論破されて話題となったヒゲの隊長こと佐藤正久議員が登場しています。
8.6「ヒロシマの平和を疑う」 アーカイブ この5年間の記録 更新情報 日本会議広島
折しも先日は中谷防衛相が「戦争法案」に絡み「核兵器の運搬も法文上は排除していない」とし、横畠裕介内閣法制局長官は「憲法上、日本が核兵器を保有してはならないということではない」と答弁するなど、核兵器に関して信じられない答弁が相次いだところ。
斜め上過ぎる珍説、中谷防衛相が「弾薬は武器ではない」「手榴弾もミサイルも弾薬なので武器ではない」「核兵器も法文上は運搬可能」と国会で答弁 | Your News Online
そこに畳み掛けるようにして開催される日本会議の当講演会に対しては多くの痛烈な批判が寄せられています。
日本会議の櫻井よしこ氏が、広島への原爆投下からちょうど70年目に当たる2015年8月6日に、広島で行う講演。憲法改正という政治的主張を通すためなら、被曝した人やその遺族の心を踏みにじっても平気なのか。ここまで傲慢になれるのがすごい。 pic.twitter.com/iumLgk0rPo
— 山崎 雅弘 (@mas__yamazaki) 2015, 8月 6
原爆投下の日に、原爆投下された土地で、こういうテーマの講演会を開催するということが、かの地の人々にどう思われるかという想像力や自己客観視能力の欠如は、犯罪的ですら、ある。沖縄でも「沖縄県民は、日本の防人になれ」とか演説してたよなあ。 pic.twitter.com/pCzMHx2Env
— 秦映児 (@hataeiji) 2015, 8月 1
まもなく、あの日がやってきます。まさにその日にその地で、このような企画をする櫻井よしこ氏を私は理解することが不可能です。(岩) pic.twitter.com/nNsQrIho5v
— 戦争法案に反対するミドルズ (@MIDDLEs_jpn) 2015, 8月 4
核兵器に対しての意見の相違以前に、この日に広島でこんなテーマの講演会をわざわざ開催しようとする想像力の致命的な欠如と傲慢さは人間として最低であるとの論調が多く、犠牲者や高齢化の進む被爆者、遺族や被爆二世、三世に対する最低限の思いやりすら見せられないことへの憤りと不信感が渦巻いています。
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