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◆「国民負担率」が過去最高、消費増税や社会保障費増大で
財務省の発表によると、2020年度(令和2年度)の国民負担率が今年度から0.7ポイント増加して44.6%となって過去最高となる見通しです。
「国民負担率」は個人や企業の所得に占める税金や社会保険料などの負担の割合を示す割合で、公的負担の重さを国際比較する際の指標のひとつとなっています。
過去最大となる理由としては、消費増税が年間を通じて影響しているほか、所得税の「給与所得控除」などの金額が今年から見直され、所得が高い会社員らの負担が増えることが挙げられています。
国民負担率は1970年度(昭和45年度)には24.3%だったものの、年金や健康保険といった社会保険料の増加や消費増税などを背景に上昇が続いており、2014年度(平成26年度)に40%を超えて以来、7年連続の4割越えとなります。
また税金と社会保険料に国の財政赤字も加えた「潜在的な国民負担率」は49.9%となり、今年度を0.8ポイント上回って3年連続で増加する見通しとなっています。
◆国民負担率が高い=悪ではないが…
もちろんこの国民負担率が高いことがイコール悪いということにはなりません。OECD加盟34ヶ国の中でも北欧やEU諸国を中心に9ヶ国が60%を超えています。
問題は、日本は国民負担率が半世紀で8割も上がりながら「年金では老後2000万円不足」と政府に宣言され、社会保障も軒並み削られ続ける困難な状況であること。
教育や医療などで手厚く国民に還元される北欧型福祉国家スタイルであれば税金が高くても納得できるところですが、上がり続けてきた消費税や社会保障費が国民に還元されているとはお世辞にも言い難い状況が山積しています。
賃金が上がっていればそれでもまだ救いはあったのかもしれませんが、G7で日本だけが2000年よりも賃下げというのが実情。還元の見えない負担増でしかなければ国民の納得を得るのは難しそうです。
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