国内だけでなく世界中からの火だるまになり、四面楚歌の状態になってようやくの、遅きに失した辞任ということになります。詳細は以下から。
◆森会長が引責辞任へ
東京五輪組織委の森喜朗会長が、自身の女性蔑視発言で引責辞任する意向であることを毎日新聞が報じました。
森会長の女性蔑視発言については、謝罪会見で逆ギレしたことも相まって、あらゆる差別に反対するオリンピック精神に反すると日本国内のみならず世界中のメディアが厳しく糾弾していました。
2月9日頃からは東京オリンピックのスポンサー企業からも批判の声が相次いで上がるようになり、当初は「森会長は本日、発言を謝罪した。これをもってIOCは問題が終わったと考えている」と火消しに奔走したIOCも、世界中のメディアからの激しい批判が収まらないことに慌てて「完全に不適切だ」と手の平を返す事態となっていました。
4日の謝罪会見で逆ギレなどせずにそのまま辞任を表明していれば傷は浅かったものの、続投で乗り切れるという判断の誤りが取り返しのつかないレベルに傷を広げたことになります。
日テレニュースによると、後任はJリーグ初代チェアマンを務めた川淵三郎氏で調整中とのこと。
◆森会長の続投を望み、擁護した人々の発言をご覧ください
なお森会長は謝罪会見前の毎日新聞の取材に「元々、会長職に未練はなかった」と述べていましたが、組織委幹部の慰留などを受け、思いとどまったとされています。
これが事実であれば、組織委が女性差別発言を擁護し続けて続投させようとしていたことになり、森会長個人の問題とは別に組織委の女性差別容認の体質が問題視される可能性もあります。実際のところ、毎日新聞は組織委の武藤事務総長が「会長、(辞任は)いけません」と強く慰留したことを報じています。
慰留したのは組織委だけではありません。JOC山下会長は東京新聞のアンケートに「本人が謝罪、撤回している。最後まで全うしていただきたい」と回答しており、その後批判の広がりを受けて「極めて不適切と強調したい」と発言。
また自民党の世耕参院幹事長は「余人をもって代えがたい。IOCとの人脈、五輪に関する知見などを考えたら、この直前のタイミングで、森氏以外に誰か五輪開催を推進できる方はいるのだろうか」と擁護。同じく自民党の萩生田文科相は「『反省していないのではないか』という識者の意見もあるが、森氏の性格というか、今までの振る舞いで、最も反省しているときに逆にあのような態度を取るのではないか」と謎のアクロバティック擁護を展開していました。
いずれにせよ新型コロナのパンデミックで開催自体が極めて困難な状態に追い込まれている東京五輪。頑なに強行開催を主張していた森会長の辞任で中止の可能性はさらに高まったということになりそうです。
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