正社員の職を求める人は少なくありませんし、今その企業で働く非正規雇用者を正社員にしてもいいはずですが、企業はなかなかそうした解決法を取ろうとしないようです。詳細は以下から。
◆37.2%の企業が正社員「不足」と回答
帝国データバンクが21年4月に行った「人手不足に対する企業の見解について調査」が物議を醸しています。
この調査では正社員「不足」とした企業は37.2%。最初の緊急事態宣言中だった昨年4月からは6.2ポイント増加したものの、19年4月より13.1ポイント低下。報告でも「不足感は、前年同月から増加も新型コロナ前より和らぐ」とされています。
不足と答えた業種は「メンテナンス・警備・検査」(55.6%)と「教育サービス」(55.6%)が最も高く、「建設」「情報サービス」「農・林・水産」「自動車・同部品開発」が50%台で追う形で、大企業ほど不足の回答が多いのが特徴です。
なお、人手不足とした回答の割合のこれまで15年間の推移です。リーマンショックで大きく落ち込んだ後、アベノミクス開始後に跳ね上がっていく様子が確認できます。
◆一昨年より少ないのに炎上
この帝国データバンクの記事がツイッター上で反響を呼び「正社員不足」がトレンド入り。
正社員を「不足」とした企業はほぼ50%だった一昨年よりも減ったものの、なぜかここにきて怒りの声が渦巻いており、企業側を擁護する意見はほぼ見当たりません。
ツイートの主な内容としては「非正規だらけにして要らなくなったら切ってきたのは企業」「欲しいのは低賃金で好きなだけ働かせられる奴隷なのでは」「氷河期をあれだけ冷遇しておいて自業自得」「探してるけど正社員募集してないんだが」といったもの。
コロナ禍で失業したり収入が不安定になる人が多い中、企業側の言い分を都合のいいものと捉えた人が多かったようです。
なおコロナ禍での需要減で人手不足が和らいだとはいえ、コロナ後に人手不足が再燃するのは確実。今のうちに雇用・育成しておかないとV字回復は難しそうですが、正社員の雇用は進むのでしょうか。
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