三浦瑠麗シンクタンク謎の偏りが「価値観テスト」で発見、「そう思う」答え続けると特定思想に



シンクタンクとしての調査能力が低いか、結果のねつ造を試みたかのどちらかという結論になりそうです。詳細は以下から。

◆三浦瑠麗シンクタンクのアンケートで質問に大きな偏り
かつて安倍元首相と会食していたことでも知られる、国際政治学者を自称する三浦瑠麗氏が代表を務めるシンクタンク「山猫総合研究所」が作成した「あなたの価値観診断テスト」が話題になっています。


このテスト自体は2020年4月17日にリリースされたものですが、今回の衆院選に伴い、各種の政党マッチングサイトなどが話題となる中で再発見された形です。


プレスリリースでは、このテストは「あなたの安全保障、憲法、経済政策、社会政策などをめぐる価値観を伺います。結果では、あなたの属するグループの特徴を解説」するものとされます。

その結果は同社の「日本人価値観調査2019」の結果における「日本人の価値観の広がりと、そこにおけるあなたの立ち位置が分かる」とのこと。

これ自体は興味深い試みですが、問題なの質問内容です。最初の「外交安保」の質問をいくつか見てみるとこのとおり。




質問に「そう思う」と答え続けると改憲を求めるタカ派に、「そう思わない」と答え続けると護憲のハト派になるように質問が設定されています。

◆それがなにかまずいの?
人間には、「はい」か「いいえ」の二択に迫られた時に「はい」を選択する「イエステンデンシー」と呼ばれる心理学的な潜在的傾向があることが知られています。


アンケート作成時にはこうした偏りを避けるために、思想などの特定の傾向が「はい」に偏らないように逆転項目を入れるなど文章の工夫が求められます。

この診断テストではこれ以降も「そう思う」と答え続けると、「経済」では小さな政府を求める新自由主義的な立場に、「社会」では伝統的価値観を求める保守派の立ち位置となるように質問が作られています。

◆このシンクタンクは無能か、偏向か
つまり、「あなたの価値観診断テスト」ではアンケートなどの質問を作る際の基本的な注意事項が守られていないことになります。

これらの質問が無意識に並べられたのであれば、山猫総合研究所はシンクタンクとしてまともな調査能力がないとされても致し方ありません。

また、意図的に偏りが生じるように質問を並べたのであれば、特定の思想の答えを選ぶ人を増やし、「日本人の価値観の広がり」の分布ををねじ曲げようとしたことになります。

なお、この場合に増やそうとした価値観は、質問内容から見れば改憲を求めるタカ派であり、小さな政府を求める新自由主義者であり、伝統的価値観を求める保守派というもので、第二次安倍政権以降の自民党の政策とも大きく被ることにも注意が必要です。

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