【コラム】「戦争はしちゃいけないと一番身をもって知っているのは私たち」櫻井翔が引き出した元日本兵の言葉の重み



一部でなぜか炎上していますが、嵐の櫻井翔さんがインタビューで引き出した元日本兵の言葉は平和を願う、この上なく重いものでした。詳細は以下から。


12月6日の日本テレビ系「news zero」で103歳の元日本兵、吉岡政光さんにインタビューしたキャスターの櫻井翔さんの発言が一部で炎上しています。

このインタビューを報じたニュースサイト「まいじつ」は「心底軽蔑する」「一生反省しろ」といった「視聴者からの批判」を大々的に取り上げて大炎上と評しています。


実際のインタビューのやり取りはnews zeroの公式サイト内「真珠湾攻撃から80年・・・103歳元搭乗員語る」から確認できます。

○櫻井
 「戦時中というのはもちろんですけど
 アメリカ兵を殺してしまったという感覚は?」

○元搭乗員 吉岡政光さん(取材時103歳)
 「私は『航空母艦と戦艦を沈めてこい』
 という命令を受けているんですね。
 『人を殺してこい』ってことは聞いていないです。
 したがって命令通りの仕事をしたんだ。
 もちろん人が乗っていることはよくわかっています。
 しかしその環境というと私も同じ条件です。
 ですけどもそれとは切り離すと
 戦争はしちゃいけないということを
 一番身をもって知っているのは
 私たちだと思っています」

真珠湾攻撃から80年・・・103歳元搭乗員語るより引用)


まいじつは吉岡さんの回答について前半の一部のみを掲載。

櫻井から質問をぶつけられた吉岡さんは、それまでしっかりとした口調でインタビューを受けていたが、口ごもってしまう。しばらくしてから口を開くと、「私は航空母艦と戦艦を沈めてこいという命令を受けているんですね。人を殺してこいとは聞いてないです」と櫻井をたしなめるような口調で返答するのだった。

櫻井翔が大炎上! 元日本兵へのインタビューに「心底軽蔑する」「一生反省しろ」 - まいじつより引用)


インタビューされる側が口ごもったり感情をあらわにするのは、多くの場合その質問が核心に触れたことを意味します。

人を殺してこいとは言われていないが、艦船を沈めてこいと命令され、命令どおりの仕事をした。当然その艦船には人が乗っていて、沈めれば人を殺すことになる。吉岡さんはそれをよく分かっていたが従った。

それが戦争だということを吉岡さんは語っています。続く「その環境というと私も同じ条件」というのは、もちろん自分がアメリカ兵に殺されることを意味します。

前段で真珠湾攻撃への参加を命じられた吉岡さんは「うれしいな」と思ったと告白。「23歳の若造が死ぬということを決心するということは大変なこと」と回顧します。実際に吉岡さんの戦友はほぼ戦死しています。

自分が人を殺し、同じように自分も人から殺される。それを覚悟した上で命令に従う。

吉岡さんが100歳を超えるまでほぼ語ってこなかった生々しい戦争の情景を、櫻井翔さんは引き出したことになります。

Twitter上などで本件を炎上させている人の多くは、吉岡さんに「祖国のために戦ってくれたことに感謝」するとし、賞賛しています。

であればこそ、吉岡さんが若い世代に向けた結びの言葉を誰よりも真摯に受け止める必要があるのではないでしょうか。

○元搭乗員 吉岡政光さん(取材時103歳)
 「戦争というのは一番人が死ぬんですよね
 戦争だけはやめた方がいいということは
 私たちが一番よく知っているんです。
 だから私の話を聞いてもらってね
 少しでも人が人を殺しちゃいけないということを
 頭の芯からおぼえるように
 助けになれればいいなと思っている


真珠湾攻撃から80年・・・103歳元搭乗員語るより引用)



・関連記事
12年前の絵本「戦争のつくりかた」が短編アニメ化、現在の日本の姿との対比が興味深いことに | Your News Online

【歴史戦】ベルリンの「少女像」期限なしの恒常設置へ、日本側の激しい撤去要請を受け | Your News Online

【後編】天皇の肖像燃やす「遠近を抱えて Part II」で燃やされたのは何か、「表現の不自由展かんさい」展示レポート | Your News Online