人は誰でも幸せを求めるもの。ですが自分の幸せに固執しすぎることで、その幸せまでの距離は遠くなってしまうかもしれません。詳細は以下から。
ジャーナル「Journal of Positive Psychology」に掲載された最新の研究によると、幸せになるための大切な秘密は、人を幸せにしようとすることでした。
これは人のためになることをすることで、他人との繫がりという心理的欲求が満たされ、幸福感に満たされるということ。
Liudmila Titova氏とKennon M. Sheldon氏による研究はアメリカ中西部の大学生を主な被験者として行われました。そこでは自分自身を幸福にしようとすることと、他人を幸福にしようとすることの間の幸福度の変化をテストしています。
最初の実験では、学生らは他人を幸せにした記憶と自分を幸せにした記憶を思い出すように指示されます。それぞれの経験についてどう感じたのかを尋ねられると、被験者らは他人を幸せにしたことにより大きな幸福感を感じていました。
次の実験で学生らは人助けや人付き合い、自分のための行動などを指示されましたが、単なる人付き合いなどでは幸福度は上がりませんでした。
3つ目の実験で分かったのは、被験者の感じる幸福度は何かをしてあげた相手の幸福度とは有意に関係しないということ。相手が幸せになったから自分も幸せだと感じるわけではないのです。
微妙なラインですが「自分が相手を幸せにしてあげた」と自分が感じることで幸せを感じていたことになります。
4つ目の実験では、自分が他人を幸せにしようとした時と、他人が自分を幸せにしようとした時の幸福度を比較。ここでも自分が他人を幸せにしようとした時の方が高い幸福度を感じていました。
最後の実験では、幸せにする相手が全く知らない人でも同じ幸福感を得られることが判明。この実験では街頭で通行人に25セント硬貨を2枚渡し、ランダムに4つの指示のいずれかを出します。その4つは以下のとおり。
1.調査の謝礼としておつりを預かる
2.自分のパーキングメーターに入れる
3.知らない人のメーターに入れる
4.説明を添えて知らない人のメーターに入れる
この中で最も幸福度が高かったのは3で、4が若干下がって続いていました。
こうした「慈悲深い」行動がなぜ幸福度を増すかというと、そこには「他人と繋がりたい」という、関連性を求める心理的欲求が存在していました。
つまり、他人を幸せにすることで他人とのより大きなつながりを感じられることになり、それが幸せに直結していたのです。
「情けは人の為ならず」とはかけた情けが巡り巡って自分に戻ってくることを指した言葉ですが、実は人を幸せにすることそれ自体が自分の幸せの豊かな源泉となっていたのです。
小さな親切からちょっとしたプレゼント、ボランティア活動まで、幸せを感じたい人は試してみてもよいかもしれません。
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