当たり前に使っているガスコンロが、実は「使っていない時も」温暖化に影響していたことが分かりました。詳細は以下から。
ジャーナル「Environmental Science & Technology」に掲載された研究によると、多くの家に備え付けられている家庭用ガスコンロから、使っていない時にも無視できない量のメタンが漏れているとのことです。
温室効果ガスは二酸化炭素の排出が飛び抜けて多いものの、温暖化に及ぼす影響を示す「温暖化係数」は、メタンは20年間では二酸化炭素の約86倍、100年では25倍となります。
研究を主導したスタンフォード大学地球エネルギー環境科学部のEric Lebelさんは、家庭や建物内の家電などから漏れたり、不完全燃焼で放出される天然ガスについての研究はほとんどなされてこなかったと指摘。
ガスコンロなどからのメタン漏れによる温暖化は、コンロ使用時の二酸化炭素の約1/3にも及んでいる上、呼吸器系疾患の原因となる危険性もあるとしています。
そして問題は、このメタンがガスコンロを使っていない時も少しずつ大気中に漏れていることです。
研究では、米カリフォルニア州の53家庭で、燃焼、点火、消火時に加えて、「器具が停止している間」に放出されるメタンと窒素酸化物を測定しました。対象となったのは18のブランドの、使い始めてから3~30年のガスコンロです。
結果として、メタン排出量の4分の3以上はガスコンロがオフの時に発生。コンロをどれだけ使ったかにかかわらず、ガス配管とコンロへの接続部、また家庭内のガス配管がほとんどのメタン排出の原因であることが判明しました。
また興味深いことに、ガスコンロの古さや価格と排出量との間に関連性は見られなかったとのこと。
最終的に、ガスコンロは使用するメタンの最大1.3%を未燃焼のままメタンとして排出していると推定されています。
そして4000万世帯あるガスコンロを使うアメリカの家庭から漏れるメタンは、50万台のガソリン車が排出する二酸化炭素と同レベルに気候変動に影響を与える可能性があるとのこと。
国によって機器やガス配管の状況は違うため単純比較はできませんが、人類の多くがガスを日々の調理に用いているのも事実です。
ある意味盲点ともいえる「家庭用ガスコンロを使っていない時のメタン排出」、今後問題になっていく可能性もありそうです。
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