仕事で燃え尽きてしまった時、それはあなたではなく上司の問題かもしれません。詳細は以下から。
ジャーナル「International Journal of Environmental Research and Public Health」に掲載された国際的な研究によると、上司が部下たちとチームとして一体感を持っているほど、部下は燃え尽きにくくなるそうです。
仕事のストレスで感情的に疲れ切り、人とのコミュニケーションが困難になり、自己肯定感が低下する「燃え尽き症候群」は日本も含めた世界中で大きな問題です。
ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテ大学のRolf van Dick教授らの研究チームは職場の上司らがこの燃え尽きを適切なリーダーシップで食い止められるかを調査しました。
その結果リーダーの役割は極めて重要で、業績と幸福をトレードオフの関係ではなく、両立すべきコインの表裏として捉える必要があると結論付けました。
その中でも、チームの部下たちとの一体感を育みアイデンティティを共有するリーダーシップのあり方が重要とのこと。これによって部下たちの幸福感は多方面から増加し、燃え尽きる可能性を減らすことができます。
研究者らはGlobal Identity Leadership Developmentの5年おきの2つのデータ群を分析。2016年から2017年の20ヶ国5290人と、2020年から2021年の28ヶ国7294人のデータを用いました。
アンケートでは職場のチームの一体感と燃え尽きの度合いが測定され、直属の上司がどの程度模範的にアイデンティティを共有しながらリーダーシップを発揮していたかを尋ねています。
いずれの調査からも、上司のアイデンティティを共有したリーダーシップはチーム全体の一体感に寄与していたことが判明。
言い換えれば、上司が職場で一体感を持っているほど、部下たちは自分がチームの一員であると強く感じていたことになります。
そして、こうした上司の元では燃え尽きる部下の数が減少していることがデータ全体から明らかになりました。
自分たちは何者で、何に寄って立ち、何を規範と基準とするのかは相互の支援と集団的な自己肯定感にとって非常に重要で、幸福感を増し、燃え尽きを減らすための鍵となります。
一体感を持って共に歩める上司の存在はそのための柱とも言えそうです。
この結果は欧米やアジアなどの全30ヶ国において共通したもので、全人類にとって重要と言えるとvan Dick教授は指摘します。
どんな上司について行けばいいのか、そして上司になった時にどうふるまえばいいのか、大切な参考になるのではないでしょうか。
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