タイに滞在しながらリモートワークができたら……と考える人のために現地での状況や注意点を調べてきました。
タイの都市部でのでのリモートワークでは何が必要になり、どの程度快適にできるのか、バンコクでの実情をレポートします。
都市部でのリモートワークはどれくらい快適?
バンコクで在住者ではない人がリモートワークを行うにあたって重要なのがWi-Fiの存在です。
それを考えた上で仕事のできる場所して挙げられるのは以下のようなところでしょうか。
・滞在するホテル・ゲストハウス
・レンタルオフィス、コワーキングスペース
・Wi-Fiのあるカフェ
それぞれの状況を見ていきましょう。
滞在するホテル・ゲストハウス
現在、バンコクのホテルやゲストハウスはグレードにかかわらず基本的に無料Wi-Fiを備えています。
シングル1泊500バーツ(約2000円)やドミトリー1泊200バーツ(約800円)の安宿であろうと、基本的に無料Wi-Fiはあるため接続自体の心配はいりません。そう、こんな感じの部屋でもつながります。
この部屋での通信速度はこんな感じ。日本にいるときとほとんど変わらずノーストレスでした。
ちなみに受付にこのようにIDとパスワード置いてあるので、各々写真に撮ってつなぎます。
こちらはバンコクの別の宿での速度。非常に快適です。
問題はPCを開いて仕事のできるスペースがあるかということと、宿泊客が多い場合は通信速度が十分に出るのかということです。
ある程度のグレードのホテルであれば部屋に仕事のできるデスクなどが据え付けられていますが、安い宿では思うようにはいきません。
ロビーやラウンジがある場合もありますが、そこが快適な作業場であるか、必要な時間帯にまとまって作業ができるかは微妙です。
また電源が作業するデスクなどから離れすぎていないかなどもチェックが必要です。ドミトリーの場合は電源の確保がより大きな問題となります。
部屋の位置によってはWi-Fiがつながりにくい可能性がある他、夕方から夜に掛けてなど利用する宿泊客が増加する時間帯などは快適に使えない可能性も頭に入れておきましょう。
実際の使用感などについてはBooking.comの宿の評価欄で採点されているため、ある程度の参考にすることができます。あくまで参考程度ですが。
レンタルオフィス、コワーキングスペース
当然ながらタイの都市部にはレンタルオフィスやコワーキングスペースもあります。コロナ禍もあったため、以前よりも増えているようです。
こうした施設を使う場合はWi-Fiや電源の心配は基本的にいりません。
ただしバンコクやチェンマイなどの大都市はともかく、小さめの街には存在しない、あっても英語も通じにくいなどの問題が想定されます。
もし使おうと考えている場合は日本にいるうちに滞在先のホテルに近く、事前に利用に関する諸情報が確認できるところをチェックしておきましょう。登録や予約が可能ならばしておいた方がいいかもしれません。
レンタルオフィス、コワーキングスペースは以下のようなサイトから検索、予約が可能です。
バンコクの日系コワーキングスペース・レンタルオフィス6選 _ バンコクLABタイ語学校
Bangkokのレンタルオフィス検索 _ Regus JP
バンコクの最新おすすめワーキングスペース2023 _ タイランドピックス
Wi-Fiのあるカフェ
マクドナルドやスターバックスコーヒーなどのファストフードやカフェのチェーン店では日本と同じように無料Wi-Fiが利用できます。
しかし利用にはタイの携帯電話番号やパスポート番号などが必要になるケースが多いため、タイのSIMがないと難しいケースも。
時間も1時間程度に制限されている場合もあります。こんな感じでリミットが表示されます。
またこうしたチェーン店ではやはり日本と同様にPCを持ち込んで使っている人が多く、通信速度も期待できません。
筆者も試しましたが思ったように使えず、結局スマホのデータ通信をテザリングで使って作業を行わざるを得ませんでした。
ぎりぎりウェブサイトの閲覧はできますがしょっちゅう切れます。帰国時の申請を試みましたが全然無理でした。
しばらくしたらここまで落ちました。もう何もできません。
チェーン店でなくても無料Wi-Fiが利用できる飲食店はありますが、歩いていて偶然見つけられるとは限らないため、事前にGoogleマップなどでチェックしておきましょう。
なお当然ながらそうした場所では飲食費がかかります。例えばスターバックスコーヒーではカフェラテのショートで110バーツ(約440円)と、日本(415円)よりも高額です。
いずれの場合も全ての席が電源を備えている訳ではないため注意が必要です。リモートワークしやすい人気店ほど電源のある席は埋まりがちなため、利用する時間帯にも気を付けましょう。
日本でノマドワークするよりも高く付く場合があることはしっかり認識しておきましょう。
都市部でのリモートワークはどれくらい快適?
ここまでロケーション別で考えてきましたが、実際にタイの都市部でリモートワークをすることがどの程度快適かについて考えてみましょう。
言うまでもありませんがタイは外国です。日本とは気候も言語も国民性もまったく違います。良し悪しだけでなく自分に合うかどうかについても考える必要があるでしょう。
通信速度について
バンコクの複数の場所でリモートワークを試してみましたが、通信速度としては宿のWi-Fi、携帯電話のテザリング、カフェのWi-Fiの順で速く安定していました。
※コワーキングスペースは利用していません。
そのため、基本的には宿泊先のホテルのロビーやラウンジ、部屋などでリモートワークを行い、それ以外の場所ではテザリングを用いるのが現実的です。
データ通信の容量は日本での1ヶ月の利用量を踏まえた上で余裕を持って購入しましょう。後から追加購入できるプランもあるため、最初の購入時にしっかりチェックしてください。
移動日に注意
宿泊先を変更する場合はチェックアウトからチェックインまで移動に数時間のロスが発生する他、宿泊先によってはチェックイン時間が15時以降という場合もあります。
移動日はまとまって作業をするのが難しいため、オフにできるよう調整しておくのが無難です。
田舎と違って移動自体にそこまでのストレスは無いと思われますが、鉄道やバスでの移動の際には遅延が発生することは今もあります。予定通りに到着するとは思わないようにしましょう。
高温多湿と効き過ぎる冷房という問題
また、タイは高温多湿の熱帯気候の国ですが、室内の冷房が過剰に効き過ぎていることで有名です。
羽織れる上着などを持っていかないと寒すぎて体調を崩す場合がある上に、外との気温差で風邪を引く可能性もあります。
一方安宿などで部屋やロビー、ラウンジなどにエアコンがない場合や効きの悪い場合は、かなり不快指数の高い環境で仕事をするハメにもなりかねません。
食事などの生活環境
何度もタイなどの東南アジアを訪れて食事やお国柄に触れてきた人にとっては、タイは過ごしやすい「微笑みの国」かもしれません。
しかしパクチーやナンプラーを使い、辛いものも多いタイ料理は苦手な人が連食するにはつらいかもしれません。
屋台をはじめとした飲食店の衛生状態も清潔さが売りの日本に比べればずいぶん緩く見えてストレスに感じる可能性もあります。
またタイ人のいい意味でのおおらかさ、悪い意味でのいい加減さに慣れないと、こちらも大きなストレスになりかねません。
まとめ
タイの都市部でのリモートワークは、環境としては申し分ない選択肢が存在しています。
しかしタイはあくまで外国であり、安全で清潔で日本語や日本の常識の通じる日本ではありません。
タイをはじめとしたアジアを訪れたことがあり、多少のトラブルは自力でどうとでもできるという人にとっては、本記事で触れたようなことは単なる注意点に過ぎないでしょう。
しかし読んでみてこれは難しい、厳しいと感じた人にとって、タイでのリモートワークは思い描くよりも困難がつきまとう可能性があります。
一気に長期間のリモートワークを目指す前に、旅行がてらお試しで1週間ほど試してみてから考えてもいいかもしれません。
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