「五輪ボランティア徴用のために授業や試験をずらせ」スポーツ庁と文部科学省が全国の大学・高専に要求



「学生の本分は学業にある」とは昭和の時代から言われ続けてきたこと。ですが東京オリンピックのためなら政府が率先して学業を二の次扱いさせるようです。


スポーツ庁と文部科学省が7月26日、全国の大学と高等専門学校に対し2020年の東京オリンピックのボランティアに参加しやすいように授業や試験期間を繰り上げるなどの対応を求める通知を出しました。

通知では学生がボランティアをすることへの意義を説き、大会期間中は授業や試験を避けることを促しているとのこと。授業開始時期の繰り上げや祝日の授業実施は学則などに基づいて各学校の判断で特例措置を講じることができます。

授業や試験期間を繰り上げれば、それだけ学生が授業を受ける機会を損失することとなります。大学などの学費の高騰の問題は奨学金の名を騙る学資ローン問題と共にこれまでBUZZAP!でも取り上げて来ましたが、そうした高額の学費を払った学生が学業の機会を失わされることは大きな問題です。

東京オリンピックのボランティアについても、専門職級のスキルを要求されながら交通費および宿泊は、自己負担・自己手配とされた上、猛暑下の東京で1日8時間10日以上の活動を求められるなど、「やりがい搾取」のブラックボランティアとして大きな批判を浴びています。

学生から学業の機会を奪い、過酷な国家的プロジェクトへの参加を求める。いつか来た道にも見えてしまいますが、五輪ボランティアに参加しない学生が「非国民」と非難されるような事態に発展しないことを願わずにはいられません。

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