【コラム】「25年前より世帯所得100万円超減少」が、それだけですまない巨大な負担増の話



世帯収入が100万円以上減った。確かに大問題ですが、それに加えてこの25年で私たちには大きな負担がのしかかってきています。詳細は以下から。

◆「25年前より世帯所得100万円超減少」の衝撃
NHKの報じた、政府の経済財政諮問会議による30代半ば~50代半ばの世帯所得が25年前の同世代より100万円以上減少したとの調査結果が話題となっています。


この調査結果は年代別の世帯の所得の変化について、バブル崩壊後の1994年と2019年を比べたもの。

それによると世帯の所得の中央値が、「就職氷河期」世代を含む35歳から44歳の世代で104万円減少。さらに45歳から54歳の世代では184万円も減少していました。

また25歳から34歳の単身世帯で所得が200万円台の割合が増加非正規雇用の大幅増加が主要因と分析されました。


岸田首相はこれを受け「所得向上と人的資本の強化に向けて、それぞれのライフステージに応じたきめ細かな『人への投資』に取り組む」としています。

◆所得以外の大きな要因としての「出ていくお金」の増加
ですがこれはあくまで所得の話。この25年間に私たちの生活に重くのしかかってきたものがあります。それが税金と社会保障費の負担の増加です。

・消費税率のアップ
1994年の消費税率は3%。一方で2019年は8%だった税率が10月から10%に増税された年です。

食料品や日用品を始め、生活全般に掛かってくる消費税が5~7%もアップしたことは決して小さな変化ではありません


・社会保障費の増加
また高齢化に伴い、社会保障給付費は右肩上がりの上昇を続けています。2019年を見ると前年比2.1%増となる123兆円9241億円を記録しており、これは1994年の60兆4727億円の2倍超です。


これに伴い、健康保険や厚生年金の保険料率が年々じわじわと上昇していることはご存じのとおり。

2000年には介護保険制度も始まり、40歳以上の国民が介護保険料も徴収されるようになるなど、年と共に負担は増加しています。

つまり所得は100万円以上減ったのに、出て行く税金や社会保障費は増えていることになっているわけです。

◆「国民負担率」は過去最大の48%に
財務省の発表した2021年度の国民負担率が前年度から0.1ポイント上昇して48.0%となり、過去最大となる見通しが報じられました。


国民負担率は個人や企業の所得などを合計した国民所得に占める税金や社会保険料の負担の割合を示す数値。1994年には35.4%のため、10ポイント以上増加していることになります。


収入が大きく減っているだけでなく、のしかかってくる税や社会保険料が増加していることが分かります。

当然個人が自由に使えるお金は減っており、結果としてものが売れず、経済が回らなくなって所得がさらに減るという負のスパイラルに陥っているのが現状です

◆負担を減らせない以上、所得を上げなければジリ貧は続く
「若者の○○離れ」といったフレーズがよく批判されますが、入るお金が減った上に出ていくお金が増えれば、ものやサービスの購入を諦めざるをえないことは言うまでもありません。

少子高齢化の流れが止まらない以上、社会保障費の削減は簡単な話ではありません。であれば、必要なのは個人の所得を増やすこととなります。

最低賃金の上昇や正規雇用の推進と非正規雇用の規制などにより、個人にお金を回さなければ経済の活性化も見込めません。


特に長引くコロナ禍やウクライナ侵攻に伴う値上げラッシュは個人の家計をこれまで以上に追い込むことになり、早急な賃上げと待遇の改善が必要な局面と言えそうです。
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