「デジタル推進委員」制度、1万人以上ただ働きさせる方針が当然炎上


政府は肝いり政策を担う人々の知識や技術に対し、びた一文金を払う意思はなさそうです。


◆「デジタル推進委員」制度とは



デジタルに不慣れな高齢者らを対象に支援する政府の「デジタル推進委員」の制度概要が報じられ、話題となっています。

デジタル推進委員は岸田文雄首相の掲げる「誰ひとり取り残されないデジタル化」実現への柱で、全国に1万人以上を配置する方針がすでに表明されていました。

気になる仕事の内容は、高齢者らデジタルに不慣れな人向けに「スマホなどのデジタル機器の使い方、マイナカードの保険証利用の登録方法などのデジタル関連政策の活用方法を教える」というもの。

推進委員は本人や所属企業・団体からのオンライン申請に基づいて牧島かれんデジタル相が任命します。

◆デジタル推進委員はただ働き



問題なのは、デジタル推進委員の待遇が無給なこと。講習会も交通費などを除いて無償で開催されるとのことで、原則ただ働きとなっています。

推進委員になるには、総務省の「デジタル活用支援推進事業」の講師向け講習の受講や、厚生労働省の「障害者ICTサポート総合推進事業」での活動など、デジタル弱者支援事業に関わった実績が条件です。

なお任期は1年ながら、原則で自動更新されていくとのこと。希望者が少なければ、辞める際にも問題が生じそうな気がしますが…。

◆首相肝いりデジタル化政策のはずが…



政府の地域活性化策「デジタル田園都市国家構想」でも掲げられた、首相肝いりのデジタル化政策推進という重責を担い、少なからぬ実績も求められるデジタル推進委員。

彼らの身に着けてきたデジタル関連の地域や技術への敬意と対価が「取り残され」てしまう制度案には、当然ながら全方位的な批判が噴出しています。

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